604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/24(土) 01:14:58 ID:HhrtZDXn
SOS団に休日などというものは存在せず、今日も朝から出掛けなければならない。
今後の映画制作の参考にと、全員で映画鑑賞会を行うらしい。
はぁ・・・夜には妹と地元の夏祭りに行く約束もさせられてるっていうのに・・・
俺は自分の運命を嘆きつつ、集合場所の映画館へと重い足を引きずっていく。
「よぉ。・・・あれ、なんだお前達しかいないのか?」
罰金を覚悟していたのだが、入り口前で待っていたのは古泉と長門だけだった。
どうやらハルヒと朝比奈さんは来れなくなってしまったらしい。理由は長くなるので割愛させていただく。
このまま解散してもよかったが、既に人数分のチケットを握りしめている古泉を見て、それは躊躇われた。
俺はため息を吐きつつ渋々館内へと入る。
上映終了。
映画の内容は、未来から来た超能力者が、難事件を解決していくというSF的な推理モノだった。
なんだかいまいちよく分からなかったな・・・長門や古泉の感想も聞いておくか。
それにしても肩が疲れた・・・とりあえず館内の喫茶店で一息いれよう。
店員に案内された座席に腰を降ろし、サンドイッチやらジュースやらを注文する。
俺がさきほど観た映画について聞くと、古泉はおしぼりで手を拭きながら解説を始めた。
・・・なるほど、つまり犯人は二人居て同時に行動してたわけか。掴めてきたぞ。
それにしても余程この映画が気に入ったのか、古泉はやけに上機嫌そうだ。
いつも部室で見る作為的な笑顔とは全く違った、偽りのない自然な笑顔に見えた気がした。
その後も古泉の熱弁は続き、気付けば日も暮れてきていた。
正直ウンザリしていたが、いつも自分の意見を挟まず、ハルヒの言いなりになっているコイツが
自分の主張を堂々と言えるこの空間を、俺は崩す気にはなれなかった。
ふと携帯に目をやると、着信履歴が12件。しまった。妹との約束を忘れてた・・・
悪いな妹よ・・・はぁ、この埋め合わせは高くつきそうだな・・・
俺は携帯の電源を切ると、4杯目のドリンクを注文した。